内装解体の種類・手順・費用相場をわかりやすく解説

はじめに
建物のリフォームや改装工事、賃貸物件の受け渡しなどでは、内装解体工事が欠かせません。内装解体とは、建物の構造体を残したままで、内部の壁や床、天井などの内装部分を撤去する工事のことを指します。この工事によって、建物の内部をスケルトン状態にしたり、新しい内装に変更したりすることができます。内装解体には様々な種類があり、その目的や工事内容によって手順や費用が異なります。本記事では、内装解体の種類や手順、注意点などについて詳しく解説していきます。

内装解体の種類

内装解体には主に2つの種類があります。ひとつは原状回復工事で、もうひとつはスケルトン工事です。それぞれの特徴は以下の通りです。

原状回復工事

原状回復工事は、賃貸物件の退去時に行われる内装解体の一種です。借主が追加や変更した内装部分を撤去し、建物を入居時の状態に戻すことが目的です。例えば、オフィスで増設した個室や会議室を解体したり、店舗で設置した厨房設備を撤去したりするなどの作業が含まれます。原状回復工事では、借主が追加した部分のみを解体するため、比較的工期が短く、費用も抑えられるというメリットがあります。しかし、追加部分と既存部分の区別がつきにくい場合もあるため、工事範囲を明確にしておく必要があります。
注意点としては「居抜き」で引き継いだ際に、元の状態が不明のままだと、どこまで原状回復をすれば良いかわからない事も多くあります。管理会社や建物オーナーなどに当時の写真や資料が記録されている場合は、それを元に現状回復が可能ですが、残されていないケースの場合はトラブルの原因となりますので注意が必要です。

スケルトン工事

スケルトン工事は、建物の構造体以外の内装部分を全て解体・撤去する工事です。天井、壁、床、設備機器など、すべての内装部分を取り除いて、コンクリートの構造体だけが残る状態になります。この工事を行うと、建物の間取りを自由に変更できるようになり、新しい内装を自由にデザインすることができます。
スケルトン工事は、建物の大規模リノベーションや用途変更の際に行われることが多く、工期も長く、費用も高額になる傾向にあります。しかし、建物の利用価値を大幅に高めることができるというメリットがあります。その際、建物竣工時に設けられていた配管や警報設備などは、そのまま残す事になります。

内装解体の手順

内装解体工事は、建物や物件の状況によって手順が若干異なりますが、おおよその流れは以下の通りです。

事前準備

内装解体工事を円滑に進めるためには、事前の準備が重要です。まず、建物の所有者や借主との間で、解体範囲や工期、費用などについて十分に打ち合わせを行う必要があります。また、解体業者の選定も欠かせません。複数の業者から見積もりを取り、信頼性や実績、価格などを比較して、最適な業者を選びましょう。
解体工事に必要な許可や届け出の確認、近隣への挨拶や工事説明も行う必要があります。道路使用許可などは事前に所轄警察署へ届出を出しておく事も必要です。万が一トラブルが起きた場合の対応を事前に決めておくことが大切です。

工事準備

解体工事の前には、適切な養生と場合によっては足場の設置が必要です。これらを設置することで、作業員の安全を確保し、粉じんの飛散や騒音を防ぐことができます。また、ライフラインの停止手続きや、残置物の撤去なども行います。

解体作業

本格的な解体作業では、まず天井材や壁材、床材などの内装部分を撤去していきます。この際、アスベストなどの有害物質が含まれていないかを事前に確認し、適切な処理を行う必要があります。また、設備機器の撤去や配線、配管の切り離しなども行います。
解体作業は、騒音や粉じんが発生するため、周辺への影響に十分注意を払う必要があります。また、作業員の安全確保のため、適切な保護具の着用や安全対策を講じることが欠かせません。

廃棄物処理

解体工事で発生した廃棄物は、適切に分別し、産業廃棄物と一般廃棄物に分けて処理する必要があります。産業廃棄物は、許可を受けた業者に委託して適切に処理しなければなりません。一方、一般廃棄物は自治体の規則に従って処分します。
廃棄物処理には多額の費用がかかる場合もあるため、事前に費用を見積もっておくことが重要です。また、リサイクル可能な資材は分別して、再利用することも環境に配慮した取り組みとして推奨されています。

完了後の清掃

解体作業が完了した後は、作業現場と周辺の清掃を行います。粉じんやゴミの残留がないよう、細かく清掃することが大切です。次の利用者に気持ちよく引き渡せるよう、きれいな状態で完了することが求められます。

内装解体の費用と相場

内装解体工事の費用は、物件の種類や規模、解体の範囲によって大きく変わります。一般的な目安としては以下の通りです。

工事の種類と平均的な費用相場

スケルトン工事 15,000円〜30,000円/坪
原状回復工事 10,000円〜25,000円/坪
例えば、25坪のマンション1室をスケルトン工事で解体する場合、37.5万円〜75万円程度の費用が見込まれます。一方、同じ物件の原状回復工事であれば、25万円〜62.5万円程度と費用を抑えられます。これらの費用は、建物の構造や立地条件、作業条件によっても変動するため、あくまでも目安としてご覧ください。実際の費用は、現地調査を行った上で、業者から見積もりを取ることが重要です。

内装解体の留意点

内装解体工事を行う際には、以下のような点に注意が必要です。

事前の調査と準備

内装解体工事を円滑に進めるためには、事前の調査と準備が欠かせません。建物の構造や状況、周辺環境などを確認し、適切な工事計画を立てる必要があります。また、解体範囲や工期、費用などについて、関係者間で十分に調整しておくことが大切です。
特に、アスベストや有害物質の有無を確認することは重要です。これらが含まれているか否かは、有資格者が検体を採取して適切な分析のもと、飛散防止措置を行わなければなりません。

周辺への配慮

内装解体工事では、騒音や粉じん、振動が発生するため、周辺への影響を最小限に抑える配慮が必要です。事前に近隣への挨拶や工事説明を行い、理解を求めることが望ましいでしょう。また、作業時間や工事期間についても、周辺への影響を考慮する必要があります。特に斫り工事の場合は大きな騒音となりますので、開始する日程や時間帯などを周知することが必要不可欠となります。

廃棄物処理の適正化

内装解体工事で発生する廃棄物は、適切に分別して処理しなければなりません。産業廃棄物は、許可を受けた業者に委託し、法令に沿った適正な処理を行うことが義務づけられています。 一方、一般廃棄物についても、自治体の規則に従って適切に処分する必要があります。不法投棄などは絶対に行ってはいけません。

安全対策

内装解体工事は、作業員の安全確保が最優先課題です。作業中の事故を防ぐため、適切な保護具の着用や、安全対策を徹底する必要があります。また、足場や養生の設置も欠かせません。
加えて、アスベストや有害物質が含まれている場合は、適切な処理が必須となります。作業員や周囲の方々の健康被害を防ぐため、安全対策には十分な配慮が求められます。

まとめ

内装解体工事は、建物のリフォームや賃貸物件の受け渡しなどで欠かせない工事です。原状回復工事とスケルトン工事の2つの種類がありますが、いずれも事前の準備から完了後の清掃まで、様々な作業が必要となります。 費用は物件の種類や解体範囲によって大きく変動するため、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。また、周辺への配慮や、廃棄物の適正処理、安全対策にも注意を払う必要があります。 内装解体工事を円滑に進めるためには、事前の調査と計画、関係者間の綿密な打ち合わせが欠かせません。建物の状況に合わせた適切な工事を行うことで、快適な空間を実現できるはずです。

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