解体工事の知っておきたい工法・法令・相場

はじめに
建物の解体工事は、新しい建築物を建設したり、土地を更地にしたりする際に欠かせない重要な作業です。解体工事には様々な法的規制があり、適切な手続きを踏まない場合には違法となる可能性があります。本記事では、解体工事に関する基本的な知識から実際の工事の流れ、費用相場、注意点など、解体工事に関する様々な情報をご紹介します。

解体工事の種類と工法

解体工事には、建物の構造や規模に応じて様々な工法が存在します。適切な工法を選択することが、安全で効率的な解体工事を行うためのカギとなります。

木造建築物の解体工法

木造建築物の解体では、手壊し併用工法が一般的に用いられます。建設リサイクル法により、手作業で内装材や屋根材などを解体した後、重機を搬入して解体工事を進めるのが一般的な工法です。木材・可燃物・不燃物の分別作業は主に手作業で行います。
木造建築物の解体にあたっては、アスベストの有無を事前に調査し、飛散防止策を講じる必要があります。また、騒音や粉塵対策にも留意しなければなりません。

木造解体工事

鉄骨造やRC造の大型建築物の解体工法

鉄骨造やRC造の大型建築物の解体では、大型の重機を使った工法が採用されます。先行して内装材などは手作業で解体し、撤去するのは無論、鉄骨造解体工事ではペンチャーというアタッチメントを用いて鉄骨部材の切断や壁の解体を行います。RC造では大割アタッチメントでコンクリートを大きく破砕し、小割アタッチメントで更に細かく破砕します。その際、鉄筋などを分別します。場合によってはブレーカーでコンクリートを破砕する場合もあります。RC造の解体工事では、粉塵の飛散に十分注意を払う必要がありますので、散水を徹底して行う必要があります。
大型建築物の解体では、工事の規模が大きいため、周辺環境や作業員の安全に細心の注意を払わなければなりません。また、工事車両の出入りによる交通渋滞や、騒音、振動への対策も欠かせませんので、交通誘導員の配置や工事前に家屋調査を行っておく事が必須となります。
特に鉄骨造の解体工事で重要なポイントは、吹付アスベストの有無が特に重要です。耐火被覆材として使用されてきた経緯があり、飛散性の高い「Lv1」に位置付けられています。また、作業員や近隣住民への暴露が問題視されており、吹付アスベストを始め様々な建築材料に使用されてきている事から、建物の構造を問わず事前調査が重要な位置付けとなります。

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その他の解体工法

上記以外にも、ワイヤーソー工法やカッター工法など、建物の構造に合わせて様々な解体工法が存在します。解体工事を行う際は、適切な工法を選択することが不可欠なのです。
解体工法の選択に当たっては、建物の規模や構造、立地条件などを総合的に勘案し、経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。

解体工事の法的手続き

解体工事を行う際には、様々な法的手続きを踏まねばなりません。主な法令としては建設業法、建設リサイクル法、大気汚染防止法などがあります。

法律

建設業法と解体工事業登録

建設業法に基づき、解体工事を業として行うには、都道府県知事の登録を受ける必要があります。ただし、建設業許可を取得している場合は登録は不要です。登録には技術管理者の設置が義務付けられており、有効期間は5年間です。
登録を受けずに解体工事を行うと、罰則が科される可能性があります。登録の更新や変更事項の届出も怠ってはいけません。

建設リサイクル法と分別解体の義務

建設リサイクル法では、一定規模以上の解体工事において、廃棄物の分別とリサイクルが義務付けられています。対象となる工事は、解体工事延床面積が80平方メートル以上の建築物で、工事着手7日前~10日前までに計画書を提出し、完了後は実施状況の報告が必要となります。
分別解体義務を怠ると、罰則が科される可能性があります。適切な分別と廃棄物処理を行うことが重要です。

アスベストに関する法的手続き

アスベストを含有する建築物の解体工事では、周辺住民への事前周知やアスベスト除去の届出が必要となります。大気汚染防止法の改正により、事前調査の方法や結果の備え置き、作業計画の作成なども義務化されています。
アスベストは人体に深刻な影響を与える恐れがあるため、関連法令を確実に遵守することが求められます。
アスベストには飛散性の高いものからLv1・Lv2・Lv3に分類され、事前調査をするにあたり有資格者が行う事が義務化されています。

アスベスト

解体工事の流れと費用相場

解体工事を円滑に進めるには、適切な流れを理解しておく必要があります。また、工事費用の目安を把握しておくと良いでしょう。

コスト

解体工事の流れ

解体工事の一般的な流れは以下の通りです。

・見積り
・業者選定
・解体準備(アスベスト調査、ライフライン停止、近隣への周知など)
・解体工事
・廃材処理
・整地
・建物滅失登記

実際の工事期間は、建物の規模や構造によって異なります。木造住宅の解体では10日~2週間程度、大型ビルの解体では数ヶ月を要する場合もあります。

解体費用の相場

解体費用は、主に建物の構造によって変動します。一般的な相場は以下の通りです。

建物の構造 解体費用の目安(30坪の場合)
・木造   100~150万円
・鉄骨造  170~250万円
・RC造   220~350万円

解体費用は、立地条件や築年数、残置物の有無などによっても変動します。また、アスベスト調査や付帯工事などで追加費用が発生する可能性もあります。

解体費用を抑える方法

解体費用を抑える方法として、以下のようなポイントが挙げられます。

・複数の業者から見積もりを取る
・自分でできる作業は自分で行う
・補助金制度を活用する
・解体業者の都合のよい時期に工事を行う

さらに、解体費用を捻出できない場合は、空き家解体ローンの利用も検討できます。

解体工事の注意点

解体工事を円滑に進めるためには、様々な注意点を理解しておく必要があります。

周辺環境への配慮

解体工事では、騒音、振動、粉塵など、周辺環境への影響が避けられません。近隣住民への事前説明を十分に行い、了解を得ることが大切です。また、環境対策として、工事区画の養生や散水、工事時間の制限など、適切な対策を講じる必要があります。

大規模な解体工事の場合は、説明会の開催や隣接地への戸別説明も義務付けられています。

作業員の安全確保

解体工事は、建物の倒壊や落下物による事故の危険性が高い作業です。労働安全衛生法に基づき、安全対策を徹底する必要があります。作業前の点検や防護具の着用、適切な資格者の配置など、万全の注意を払わなければなりません。

特に大型建築物の解体では、専門的な知識と経験を持つ業者に依頼することが重要です。

廃棄物の適切な処理

解体工事で発生する廃棄物は、法令に基づき適切に処理しなければなりません。分別が義務付けられているほか、産業廃棄物の適正な処理も欠かせません。不法投棄は重大な違反行為となります。
廃棄物の処理にあたっては、許可を得た処理業者に依頼することが賢明です。

まとめ

本記事では、解体工事に関する様々な知識を紹介してきました。解体工事は、単に建物を壊すだけではなく、法令を遵守し、周辺環境や安全に細心の注意を払いながら進める必要があります。
解体工事を検討する際は、早い段階から専門家に相談することをおすすめします。経験豊富な業者に依頼することで、安全かつ適切に解体工事を行うことができるでしょう。

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