「空き家対策特別措置法」大改正!2023年の新ルールで空き家問題を解決する

近年、空き家問題が深刻化しています。全国の住宅の約7軒に1軒が空き家という驚くべき事態を受け、2023年に「空き家対策特別措置法」が改正されました。この法改正により、所有者の責務が強化され、空き家の有効活用を促進するための新たな制度や支援策が導入されています。本ブログでは、改正法の内容や自治体の取り組み、新たに定義された「管理不全空き家」への対応策など、空き家問題に関する重要なポイントをわかりやすく解説していきます。

空き家問題

1. 空き家問題が深刻化する中での法改正

日本では最近、空き家問題がますます深刻化しています。1998年から20年間で空き家の数は約1.5倍に増え、現在は849万戸にも達しています。つまり、全国の住宅の約7軒に1軒が空き家という驚くべき事態です。

このような状況を受けて、2015年に「空き家対策特別措置法」が制定されましたが、現行法の効果は限定的であり、問題の解消には至りませんでした。そこで、2023年には法改正が行われ、新たな規制や支援策が導入されました。

空き家問題は放置されることで周囲に不便や景観の損失をもたらすだけでなく、老朽化や害虫の発生などの問題も引き起こします。また、放置された空き家は所有者にとっても経済的な負担となる可能性があります。

改正された「空き家対策特別措置法」では、以下のようなポイントが変更されました。

所有者の責務強化

所有者は適切な管理を行う努力義務に加えて、国や自治体の施策への協力に関する努力義務も負います。

空家等の活用拡大

市区町村が「空家等活用促進区域」を設定し、接道規制や用途規制を緩和して空家の用途変更や建替えを促進します。また、市区町村は空家の管理や活用に取り組む団体を支援するため、NPO法人や社団法人を指定することができます。

空家等の管理の確保

市区町村は特定の空家になる可能性のある空家を「管理不全空家」として指導や勧告を行い、固定資産税の住宅用地特例を解除することがあります。

特定空家等の除却等

市区町村は特定空家の所有者に対して報告徴収権を持ち、緊急の対応が必要な場合には緊急代執行制度が創設されます。特定空家の所有者が不明の場合は、略式代執行や緊急代執行の費用徴収が円滑に行われるようになります。

このような改正により、所有者の責務が強化され、さまざまな支援策が提供されることで空き家問題への対応が進められることが期待されます。改正法は、現行法に限界がある状況において、空き家問題の解決に向けた重要な一歩となるでしょう。

2. 空き家活用促進区域制度で自治体の取り組みが進む

改正法によって導入された「空き家活用促進区域制度」は、自治体が地域における空き家対策を進めるための取り組みを行う上で重要な役割を果たします。この制度によって、市区町村は自身の管轄地域内で空き家問題に取り組むための方針や目標を定めることができます。

エリアごとの活動方針の定め

空き家問題が特に深刻な地域や特定のエリアを重点的に対象とすることができます。活用促進のための具体的な取り組みや方針を定めることで、効果的な対策が可能となります。

建築基準法の規制緩和

活用促進区域内の空き家に対して、建築基準法における用途や規制が緩和されます。これにより、空き家の建て替えや用途変更が容易になり、活用の幅が広がります。

用途地域の拡大

従来は住宅に限られていたエリアでも、活用促進区域内では店舗や飲食店などの用途変更がしやすくなります。これによって、空き家の有効活用がより多様化され、地域に新たな活気が生まれることが期待されます。

自治体との協働体制の強化

空き家問題の解決には、自治体と市民・事業者の協力が不可欠です。活用促進区域制度の導入により、市区町村は空き家問題に対して積極的に取り組むNPOや社団法人を指定することができます。これによって、活用促進のための専門家や協力団体との連携が強化され、より効果的な対策が実現されるでしょう。

市区町村長の報告徴収権の付与

改正法では市区町村長に対して特定空き家の所有者への報告徴収権が付与されました。これによって、市区町村は所有者に対して空き家の状況を報告し、適切な対策を促すことができます。また、報告徴収権の付与により、市区町村は空き家所有者とのコミュニケーションを円滑に行うことができるでしょう。

空き家活用促進区域制度の導入により、自治体はより具体的な空き家対策を進めることができるようになります。また、市民や事業者も空き家の有効活用を進める上で、自治体と協力することが重要となります。空き家問題の解決に向けて、地域の取り組みが一層進んでいくことを期待しましょう。

3. 新たに定義された「管理不全空き家」とは

改正空き家法によって新たに定義された「管理不全空き家」とは、特定空き家になるおそれのある空き家を指します。管理不全空き家は、放置することで特定空き家になる可能性がある状態の空き家を指します。

具体的な「管理不全空き家」の状態には、以下のようなものがあります:

・雑草が生い茂り、建物全体を覆っている
・窓の一部が割れている
・倒壊の恐れがあり、保安上危険となる可能性がある
・衛生上有害となる可能性がある
・適切な管理が行われていないことにより地域の景観を損なっている

「管理不全空き家」は、特定空き家よりもさらに多く存在し、全国で24万戸以上あるとされています。

管理不全空き家になる前の対応

管理不全空き家が特定空き家に指定される前の段階で、行政からの指導や勧告を受けることがあります。この段階で状況が改善されない場合は、特定空き家に指定される可能性があります。しかし、勧告を受けて状況改善が図られれば特定空き家への指定は回避できます。

特定空き家と管理不全空き家は、所有者にとって管理や負担が増える可能性があります。具体的には、固定資産税の負担が増加し、特例の適用が受けられなくなることが挙げられます。

管理不全空き家への対策

管理不全空き家の問題を解決するためには、以下の対策が重要です。

早めの対応と計画的な管理

空き家の状況を定期的に確認し、必要な修繕や管理を行うことが重要です。特定空き家への指定を回避するためには、適切な管理が必要です。

地域の協力と連携

空き家問題は地域全体の課題です。地域住民や行政との連携を図りながら、空き家の有効活用や問題解決に取り組むことが必要です。

空き家の有効活用

管理不全空き家を活用することで、地域経済の活性化や住宅不足の解消に貢献することができます。売却やリフォーム・建て替えを検討することで、空き家問題を解決する一助となります。

以上が「管理不全空き家」の特徴と対策です。空き家所有者は、早めの対策を検討することが重要です。地域の協力と連携を図りながら、問題解決に取り組んでいきましょう。

4. 特定空き家と管理不全空き家への対応策

特定空き家や管理不全空き家に認定されるリスクを軽減するためには、以下の対策が有効です。

定期的な管理とメンテナンスを行う

特定空き家や管理不全空き家に認定されるリスクを軽減するためには、適切な管理とメンテナンスが重要です。

庭木や草の手入れ、ポストのチラシの除去など、外回りの整備を行います。これにより外観の美観を保つことができます。
建物の損傷箇所の修繕や補修を行い、屋根や壁、窓ガラスなどの安全性と耐久性を確保します。
定期的な換気や掃除、設備の点検を行い、室内の状態を維持します。

空き家の活用を検討する

特定空き家や管理不全空き家に認定されるリスクを回避するためには、空き家の活用を検討することも有効です。

空き家を賃貸に出して収益を得ることができます。また、不動産賃貸管理会社に管理業務を任せることも可能です。
空き家を自身や親族が住むために利用することで、特定空き家や管理不全空き家にならずに済みます。

売却を検討する

管理や活用が難しい場合は、空き家を売却することも対策の一つです。

空き家をそのまま中古住宅として売却する方法があります。
空き家を解体せずに土地と建物をセットで販売する「古家付き土地」として売却する方法があります。
空き家を解体して更地にしてから土地のみを売却する方法があります。
空き家の売却は専門的な知識や経験が必要な場合がありますので、不動産会社の査定や支援サービスを利用することで、スムーズな売却手続きを行うことができます。

以上の対策を講じることで、特定空き家と管理不全空き家に認定されるリスクを最小限に抑えることができます。空き家所有者は自身の状況やニーズに合わせて、適切な対策を検討しましょう。

5. 空き家対策の3つのポイント

空き家問題を解決するためには、2023年の空き家対策特別措置法の改正に基づいて所有者が取るべき3つの対策があります。これらの対策を実施することで、特定空家や管理不全空家に指定されるリスクを減らすことができます。

① 管理する

空き家を所有している方は、定期的な管理が非常に重要です。以下に、適切な管理を行うための対策をご紹介します。

空き家の定期的な現地確認と管理作業(換気、通水、掃除など)を実施しましょう。
・庭や周辺のゴミなどを清掃し、管理しましょう。
・破損や不具合のチェックを行い、修繕しましょう。

これらの管理対策を適切に実施することで、空き家の老朽化を遅らせ、特定空家や管理不全空家に指定される可能性を低くすることができます。

② 活用する

空き家の定期的な管理が難しい場合は、活用することも重要です。以下に、空き家を活用するための対策をご紹介します。

・自身や親族が居住することで、空き家を有効活用しましょう。
・賃貸物件として貸すことで、空き家を収益化しましょう。
・民泊として運営することで、観光客や地域の活性化に貢献しましょう。
・解体して土地を活用することで、新たな建物や施設を作りましょう。

これらの活用方法によって、空き家の価値を高めることができます。ただし、空き家を解体して土地を活用する場合は、固定資産税の軽減措置が適用されないことに留意してください。

③ 売却する

空き家を管理することや活用することが難しい場合は、売却することも選択肢の一つです。以下に、空き家を売却するための対策をご紹介します。

・中古住宅として売却することで、新たな住宅の需要に応えましょう。
・古家付き土地として売却することで、土地活用の可能性を広げましょう。
・解体して更地にしてから売却することで、査定価格を高めましょう。

これらの売却方法によって、空き家によるデメリットを回避することができます。ただし、売却時には適切な査定を行い、複数の不動産会社から見積もりを取ることが重要です。

空き家を所有している方は、これらの対策を実施することで、特定空家や管理不全空家への指定を回避することができます。空き家問題の解決と地域の活性化のために、適切な対策を実施しましょう。

まとめ

空き家問題は深刻化する中、2023年の空き家対策特別措置法の改正により、所有者の責任が強化されるとともに、自治体による様々な支援策が導入されました。空き家所有者は、定期的な管理やメンテナンス、活用、売却などの対策を講じることで、特定空家や管理不全空家への指定を回避し、地域の活性化に寄与することができます。空き家問題への取り組みはまさに始まったばかりですが、所有者と自治体が協力して対策を進めていくことで、その解決に向けて確実に前進していくことが期待されます。

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