住宅に使用しているアスベストの見分け方と対策

近年、アスベストが健康に深刻な影響を与えることが明らかになり、その取り扱いについて多くの人々が関心を持っています。建築資材として広く使用されてきたアスベストの歴史や危険性、規制について理解を深めることは非常に重要です。本ブログでは、アスベストの種類と特徴、過去に住宅で使用されていた事例、危険性と規制の歴史、建材におけるアスベストの見分け方などについて詳しく解説します。

1. アスベストの種類と特徴

アスベストはさまざまな種類があります。以下に主なアスベストの3種類とその特徴を紹介します。

1. クリソタイル(白石綿)

白色が特徴であり、比較的安定した状態を保つことができます。
高い耐熱性を持ち、500℃の高温でも安定しています。
引っ張り強さがあり、建材の補強に使用されていました。

クリソタイル

2. クロシドライト(青石綿)

青色が特徴であり、発がん性が高いとされています。
耐熱性や引っ張り強さはクリソタイルよりも劣っています。

クロシドライト

3. アモサイト(茶石綿)

茶色が特徴であり、他のアスベストに比べて安価でした。
耐熱性はクリソタイルに近いですが、発がん性が高いとされています。

アモサイト

これらのアスベストは繊維状をしており、加工や使用に適しています。また、アスベストは耐熱性や耐火性、絶縁性、耐薬品性などさまざまな特性も持っています。

アスベストはそれらの特性を活かし、建築材料や工業製品に広く利用されてきました。しかし、微細な繊維が飛散して吸い込まれると、健康被害を引き起こす可能性があるため、現在では厳重に規制されています。

アスベストの種類と特徴を理解し、その危険性に対する注意が必要です。

2. 住宅で使用されていたアスベスト建材

一般住宅において、過去にはさまざまな場所や建築材料でアスベストが使用されていました。

2.1 外壁
一般住宅の外壁では、以下のようなアスベスト含有建材が使用されていました。

・窯業系サイディング
・建材複合金属系サイディング
・モルタル
・仕上塗材(吹き付けタイル、リシン吹き付け、スタッコなど)

これらの建材にはアスベストが含まれている可能性があります。ただし、劣化や解体が行われない限り、アスベストが飛散するリスクは低いと考えられています。

2.2 屋根

一般住宅の屋根でも、以下のようなアスベスト含有建材が使用されていました。

・住宅屋根用化粧スレート瓦
・ルーフィング

これらの建材にもアスベストが含まれている可能性があります。特に1950年代から60年代にかけて建てられた住宅では、アスベストの使用が一般的でした。

2.3 軒天

一般住宅の軒天では、以下のようなアスベスト含有建材が使用されていました。

・けい酸カルシウム板第1種

これらの建材にもアスベストが含まれている可能性があります。

2.4 内装

一般住宅の内装でも、以下のようなアスベスト含有建材が使用されていました。

・ケイ酸カルシウム板第1種
・石膏ボード
・壁紙
・ビニル床タイル
・ビニル床シート

これらの建材にもアスベストが含まれている可能性があります。

以上が一般住宅で使用されていたアスベスト建材の一部です。アスベストを含む建材には、製品ごとに含有量や危険性が異なるため、建築年や設計図書の確認や専門業者による検査が重要です。アスベストの有無や安全性を正確に把握するためには、これらの手法を活用しましょう。

3. アスベストの危険性と規制の歴史

アスベストはかつて「奇跡の鉱物」と称され、多くの場所で広く使用されていました。しかし、その微細な繊維が肺に入ると重大な健康被害を引き起こすことが判明しました。ここでは、アスベストの危険性と規制の歴史について詳しく説明します。

アスベストの危険性

アスベストは非常に微細な繊維であり、目に見えないほど小さい粒子です。これらの繊維は空中に漂い、吸入されると肺に蓄積され、石綿肺、肺がん、悪性中皮腫などの重篤な疾患を引き起こす可能性があります。

アスベストの規制の歴史

アスベストの危険性が明らかになると、日本では法規制が進められました。以下に、アスベストの規制の歴史をまとめます。

昭和50年(1975年):特定化学物質等障害予防規則(特化則)の大改正

・吹付け作業において、アスベスト含有率が5%を超える作業が原則禁止となりました。

平成7年(1995年):労働安全衛生法施行令の改正

・茶石綿(アモサイト)や青石綿(クロシドライト)の製造・輸入・使用が原則禁止となりました。
・吹付け作業の禁止対象がアスベスト含有率1%超まで拡大されました。
・除去作業時には、場所の隔離、防じんマスクや保護衣の着用が義務化されました。

平成16年(2004年):労働安全衛生法施行令の改正

・アスベスト含有建材など10品目の製造が原則禁止となりました。

平成18年(2006年):労働安全衛生法施行令の改正

・アスベスト含有率0.1%を超える製品の製造・輸入・使用などが全面的に禁止されました。

令和3年(2021年):大気汚染防止法(大防法)および石綿障害予防規則の一部改正

・規制対象が全てのアスベスト含有建材に拡大されました。
・調査記録の作成と保存が義務化されました。
・事前調査(書面および目視)が義務化されました。

令和4年(2022年):事前調査結果の報告義務化

・一定規模以上の解体等工事の場合のみ、事前調査結果の報告が義務化されました。

令和5年(2023年):有資格者による事前調査の義務化

これらの規制改正により、アスベストの含有率や使用範囲が厳しく制約されるようになりました。現在では、特定の条件を除いてアスベストを製造・輸入・使用することは全面的に禁止されています。

アスベストの危険性と規制の歴史の明らかになりにより、建物や施設の安全性が向上し、労働者や一般の人々の健康被害が減少しました。しかし、まだアスベストを含む建材が存在するため、適切な処理と除去が非常に重要です。

4. アスベスト建材を見分ける方法

アスベスト建材を見分けるためには、以下の方法が役立ちます。

1. 素材の色の確認

・アスベストの色は青・灰色・白・茶色です。
・ひる石は黄金色で光沢がありますが、ロックウールは色が似ているため判断が難しいです。

2. 築年数のチェック

・約2006年までに建てられた建物には、アスベストが使用されている可能性が高いです。
・築20年程度の建物では、屋根材にアスベストが含まれている可能性があります。
・壁や床のタイルにもアスベストが使用されている場合があるので、注意が必要です。

3. 設計図・仕様書の確認

・設計図や仕様書を確認することで、アスベスト建材の使用の有無を判断することができます。
・目視でアスベスト建材を確認したり、外壁材で判断することは専門的な知識が必要で困難です。
・不動産会社や管理会社を通じて、工事業者や建築士に確認することをおすすめします。

4. 専門業者への調査依頼

・設計図や仕様書の確認だけではアスベスト建材の有無を確定できない場合は、専門業者に調査を依頼することを検討しましょう。
・専門業者は多くの経験と知識を持っており、アスベスト建材の有無を判断することができます。
・外壁材などのサンプルを採取し、分析して調査することもあります。

注意点

・アスベストは見た目で判断するのは難しいです。
・アスベストは他の建材と混ぜられることが多く、見た目と異なる形で使用されていますので、外見だけで判断することは危険です。
・ロックウールやグラスウールなど、アスベストに似た素材も存在し、外見だけでの判断は誤解を招く可能性があります。

これらがアスベスト建材を見分けるための方法です。

5. アスベストが発見された場合の対処法

アスベストを含んでいると疑われる建材を見つけた場合、適切な対処が重要です。以下では、アスベストが発見された場合の対処法について詳しく説明します。

5.1 自己判断せずに専門機関に相談しましょう

アスベストを含む可能性のある繊維が見つかった場合、自己判断せずに専門機関に調査を依頼しましょう。アスベストに触れることは危険ですので、専門の業者や公衆衛生センターに相談することが重要です。以下の情報を提供しましょう:

・建築物の築年数と場所
・石綿製品の使用状況(損傷の有無、破損部分の面積など)
・使用されている建材の情報や図面

5.2 プロによるアスベスト調査を行いましょう

アスベストが疑われる場合は、まず調査をしてアスベストを含んでいるかどうかを確認する必要があります。アスベストの調査は有資格者が行う必要がありますので、専門業者に依頼しましょう。

5.3 対策工事の実施を検討しましょう

アスベストが確認された場合は、対策工事を実施する必要があります。アスベストのレベルに応じて、以下の対策方法から適切なものを選ぶことが重要です。

除去工法
アスベストを完全に取り除く方法です。周囲への影響を防ぐために保護シートで覆ってから除去作業を行います。アスベストのレベルによって必要な費用と対策が異なる場合があります。

封じ込め工法
アスベストに特殊な薬剤をかけて硬化させ、飛散しないようにする工法です。アスベストを完全に除去するのではなく、飛散防止対策として行われます。

囲い込み工法
アスベストの周りを板材で覆い、損傷や飛散を防ぐ工法です。封じ込め工法と同様に、飛散防止が目的となります。

費用の確認と見積もりを取りましょう

アスベストの対策工事には費用がかかります。事前に各機関や業者のホームページから料金を確認し、見積もりを取りましょう。ただし、費用は現場の広さやアスベストの量、除去作業の大きさによって変動するため、具体的な見積もりが必要です。

アスベストの処理についても考慮しましょう

アスベストを除去した後の処理方法も重要です。アスベストは特殊な廃棄物として処理する必要がありますので、処理方法についてもしっかりと考慮しましょう。

アスベストの発見時には焦らず冷静に対処することが重要です。専門業者の助言や指導を仰ぎながら、適切な対策を実施しましょう。

まとめ

アスベストは過去に建材や工業製品に広く使用されていましたが、その発がん性などの危険性が明らかになり、現在では厳しく規制されています。しかし、依然としてアスベストが含まれた建材が存在しており、適切な対策が必要不可欠です。アスベストの種類や特徴、使用されていた建材の確認、専門家による事前調査、そして適切な除去や処理方法の検討など、アスベストへの対応には細心の注意が払われるべきです。健康被害を最小限に抑えるためにも、アスベストに関する正しい知識を持ち、専門家と連携しながら、慎重に対処することが重要です。

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