安全な解体工事のために必要な届出とは?全ての手続きを徹底解説

建物の解体には、様々な注意点と法的な手続きが必要となります。今回は、解体工事を行う前に知っておきたい重要な届出について詳しくご説明します。安全かつ適切に解体工事を進められるよう、建物関連、環境関連、道路関連の届出内容を紹介していきます。

手続き

1. 解体工事の前に知っておきたい重要な届出

解体工事を行う前には、様々な届出が必要です。これらの届出は、解体業者や施主が適切に行う必要があります。適切な届出を行うことは、解体工事をスムーズに進める上で非常に重要です。

解体工事届出書類の提出や許可申請をしっかりと行うことで、法令や条例に基づいた届出義務を果たすことができます。また、届出を怠ると罰則があるばかりでなく、工事の進行が滞る可能性もあります。

以下に、解体工事の前に知っておきたい重要な届出についてまとめました。

建設リサイクル法届出

・延べ床面積が80㎡を超える家屋の解体や、特定建設資材を使用した場合には、解体工事届出が必要です。
・通常は解体業者が施主から委任を受けて解体工事届出を提出することが一般的です。

道路の使用許可申請

解体工事で道路の一部を使用する場合、道路の使用許可申請が必要です。
管轄の警察署に道路占用許可申請や道路使用許可申請を行う必要があります。

ライフラインの停止申請

解体工事の前には、電気やガスなどのライフラインを停止する必要があります。
安全面や作業のスムーズな進行のために重要です。
水道については基本的には停止させずに作業を行うことが一般的です。

2. 建物関連の届出と手続き

建物に関連する届出や手続きには、建物の解体工事や新築、増築、修繕などがあります。このセクションでは、それぞれの工事に必要な書類をご紹介します。

建物の解体工事

解体工事を行う場合に必要な書類は以下の通りです: - 届出書[様式第一号] - 別表1 - 案内図(解体する建物の場所がわかる地図) - 解体する建物のカラー写真(建物全体と屋根、外壁などがわかるように2~3枚) - 工程表 - 委任状(発注者が持参する場合は不要)

建物の新築、増築工事

新築や増築工事を行う場合に必要な書類は以下の通りです: - 届出書[様式第一号] - 別表2 - 案内図(建物の場所がわかる地図) - 設計図(配置図、平面図、立面図で建物がわかるように) - 工程表 - 委任状(発注者が持参する場合は不要)

建物の修繕や模様替え、建築設備の工事

修繕や模様替え、建築設備の工事を行う場合に必要な書類は以下の通りです: - 届出書[様式第一号] - 別表2 - 案内図(場所がわかる地図) - 設計図(工事内容がわかるように) - 工程表 - 委任状(発注者が持参する場合は不要)

土木工事等(建築物以外の解体工事・新築工事等)

建築物以外の解体工事や新築工事などの土木工事を行う場合に必要な書類は以下の通りです: - 届出書[様式第一号] - 別表3 - 案内図(場所がわかる地図) - 設計図(工事内容がわかるように) - 工程表 - 委任状(発注者が持参する場合は不要)

上記のように、建物関連の届出では、届出書、別表、案内図、設計図、工程表、委任状などの書類が必要です。工事の種類によって必要な書類が異なるため、提出時には注意が必要です。

また、建設リサイクル法に基づく解体工事や新築・増築・改築工事を行う場合は、建設リサイクル法に関する届出も必要です。具体的には、解体する建物の構造や着手時期、工程表、分別解体の計画、廃材量の予測などが届出の対象となります。内容に変更がある場合は、変更届も提出する必要があります。

建物関連の届出は、工事によって異なる書類や手続きが必要となりますので、必ず確認して提出しましょう。また、届出を怠ると罰則が科せられる場合があるため、正確に届出を行うことが重要です。

3. 環境関連の届出 - アスベスト調査など

アスベストは健康被害の原因となる危険な物質であり、解体工事の際には適切な処理が求められます。このセクションでは、アスベスト関連の環境関連の届出手続きについて詳しく説明します。

事前調査報告書を提出しましょう

一定規模以上の建物の解体工事を行う際には、事前調査報告書の提出が必要です。この報告書は、市区町村に提出する必要があります。報告書にはアスベストの有無や含有量などが詳細に記載されており、これを基に解体計画が立てられます。

アスベスト除去工事計画書を提出しましょう

アスベストが使用されている建物を解体する場合は、アスベスト除去工事計画書の提出が必要です。この書類は労働基準監督署に提出します。アスベストの除去作業は専門的なスキルと経験を持った作業員が行う必要がありますので、計画書には専門業者の詳細な対応策が含まれています。

特定粉塵排出作業実施届を提出しましょう

アスベストを含む建物を解体する場合は、特定粉塵排出作業実施届の提出が必要です。この届け出は都道府県の該当窓口に提出します。アスベストの取り扱いには十分な注意が必要であり、作業開始日の14日前までに提出する必要があります。

解体撤去工事完了報告書を提出しましょう

アスベストを含む建物の解体が完了した後は、解体撤去工事完了報告書の提出が必要です。この報告書には、解体工事の内容や建物の現状などが詳細に記載されます。報告書の提出は工事が完了した後となります。

アスベストを含む建物の解体作業は専門的なスキルと知識が必要です。適切な届出手続きを行い、専門業者による作業を行うことが重要です。アスベスト関連の届出は、労働基準監督署や市区町村などに提出する必要があります。正確な届出手続きを行い、法令に適合した解体工事を実施しましょう。

4. 道路関連の届出 - 安全対策の重要性

解体工事を行う際には、道路関連の届出が必要です。これらの届出は、工事現場周辺の安全を確保するために非常に重要な役割を果たします。以下に、道路関連の届出について詳しく説明します。

道路占用許可申請

道路占用許可申請は、解体工事において重機や資材の一時的な駐車のために提出される申請です。工事現場周辺には十分なスペースがない場合、道路の一部を一時的に占用する必要があります。このため、道路管理局には工事開始の10日~14日前までに提出する必要があります。

道路自費工事許可申請

道路自費工事許可申請は、解体工事に伴う道路の改修や整備のために提出される申請です。もし道路が破損する可能性がある場合や、道路状況を改善するために工事を行う必要がある場合、道路自費工事許可申請が必要です。この申請は道路管理局には工事開始の24日~40日前までに提出する必要があります。

特殊車両通行許可申請

特殊車両通行許可申請は、解体工事に使用する特殊車両が道路交通法に適合しているかを確認するために提出される申請です。道路管理局には工事開始の20日~30日前までに提出する必要があります。

沿道掘削申請

沿道掘削申請は、解体工事において道路の側面の土地に掘削を行う場合に提出する申請です。解体工事に伴って掘削が必要な場合、沿道掘削申請が必要です。この申請は道路管理局には工事開始の20日~50日前までに提出する必要があります。

道路使用許可申請

道路使用許可申請は、解体工事における一時的な通行規制や道路の一部の使用制限のために提出される申請です。工事現場周辺の安全を確保するためには、道路使用許可申請が必要です。この申請は警察署には工事開始の2日~7日前までに提出する必要があります。

通行停止道路通行許可申請

通行停止道路通行許可申請は、解体工事において一定期間道路を通行停止する場合に提出する申請です。この申請は警察署には工事開始の2日前までに提出する必要があります。

道路関連の届出は、解体工事の安全対策において非常に重要です。適切な時期に届出を行うことで、工事現場周辺の安全を確保することができます。安全対策を効果的に実施するためにも、道路関連の届出には十分な注意を払いましょう。

5. 施主側で行う主な届出手続き

解体工事を依頼する施主(依頼主)は、解体業者と共に様々な届出手続きを行う必要があります。ここでは、施主が行う主な届出手続きについて詳しく解説します。

建物関連の届出手続き
建物の解体に際しては、以下の届出手続きが必要です。

建物滅失登記の届出

建物が解体されることによって建物所有者が消滅するため、法務局に建物滅失の登記を行う必要があります。この届出は解体工事の1ヶ月以内に行われます。土地家屋調査士に依頼する事が一般的です。

官民協会境界確定願の提出

官民協会の境界に建物が関わる場合、財務局に官民協会境界確定願を提出する必要があります。この届出は取り壊しの2ヶ月~3ヶ月前に行われます。

建設リサイクル法関連の届出手続き

施主は、建設リサイクル法に基づく届出手続きも行う必要があります。
一般的には解体工事業者が施主から委任されて行うものですが、あくまでも施主の義務である事を忘れてはなりません。
主な届出手続きは以下の通りです。

解体建物の構造情報の提出

解体する建物の構造情報を都道府県に提出する必要があります。この届出は、解体工事の着工7日前までに行われます。

着手時期、工期、工程表の提出

解体工事の着手時期、工期、工程表を都道府県に提出する必要があります。この届出も、解体工事の着工7日前までに行われます。

分別解体の計画の提出

再利用やリサイクルに関する計画を都道府県に提出する必要があります。この届出も、解体工事の着工7日前までに行われます。

廃材量の見込みの提出

解体工事に伴う廃材量の見込みを都道府県に提出する必要があります。この届出も、解体工事の着工7日前までに行われます。

上記4つの内容に変更がある場合の変更届の提出

解体工事前に提出された届出内容に変更がある場合は、変更届を都道府県に提出する必要があります。この届出も、解体工事の着工7日前までに行われます。

これらの届出手続きは非常に重要であり、正確に行うことが必要です。また、着工や施主の変更があった場合には、再度届出手続きを行う必要があるため、注意が必要です。

その他の届出手続き

施主が行う届出手続きには、建物や環境に関連したものだけでなく、設備に関するものも存在します。以下はその一部です。

低圧電灯電力撤去申込み

電力設備の撤去をする場合には、電力会社へ届出を行います。

自家用電気廃止申込み

再利用しない電気設備を廃止する場合には、電力会社へ届出を行います。

電話機撤去申込み

電話機の撤去をする場合には、NTTへ届出を行います。

水道使用中止届

水道を使用しない場合には、水道局へ届出を行います。ただし、解体工事業者が散水用として使用する場合は、解体工事業者へ名義変更を行うケースもあります。

ガス装置撤去申込み

ガス装置の撤去をする場合には、ガス会社へ届出を行います。

危険物貯蔵所廃止届

危険物貯蔵所を廃止する場合には、消防署へ届出を行います。

消防指定水利廃止届

消防指定水利を廃止する場合には、消防署へ届出を行います。

ボイラー廃止報告書

ボイラーを廃止する場合には、監督署へ報告書を提出します。

昇降機廃止届

昇降機を廃止する場合には、都道府県へ届出を行います。

これらの届出手続きも、解体工事の前に適切に行うことが重要です。施主は各種の届出手続きについて正確に把握し、適切な手続きを行いましょう。

以上が、施主側で行う主な届出手続きについての解説です。解体工事を円滑に進めるためにも、適切な届出手続きを行い、遅延や問題の発生を防ぎましょう。

まとめ
解体工事を実施する際には、様々な届出が必要となります。これらの届出は法令に基づいたものであり、適切に手続きを行うことで工事の円滑な進行が期待できます。解体工事に関わる施主や業者は、建物関連、環境関連、道路関連、そしてその他の設備関連の届出について十分に理解し、期日や必要書類を確認しながら適切に対応することが重要です。届出を適切に行うことで、法令違反や工事の遅延といった問題を避けることができ、安全かつスムーズな解体工事の実現につながります。

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