【空き家対策】2023年の特別措置法改正で新制度が始動!危険な管理不全空家への対策は?

増加し続ける空き家問題は、防災・防犯、衛生、景観、経済など、様々な観点から地域社会に深刻な影響を及ぼしています。こうした課題に対処するため、政府は「空き家対策特別措置法」の改正を行い、新たな制度や取り組みを導入しました。本ブログでは、この法改正の内容や意義、これまでの空き家対策の経緯などについて詳しく解説します。空き家問題への理解を深め、地域の安全で快適な環境づくりに役立つ情報を提供します。

1. 空き家問題の深刻化と対策の必要性

日本では、空き家問題が深刻な課題となっており、これに対する適切な対策が喫緊の課題となっています。

問題の深刻化

現在、全国で約849万戸もの家屋が空き家となっており、こちらの数値は過去20年間で1.5倍に増加しています。この増加傾向に伴い、様々な問題が生じています。まず、空き家の増加がもたらす問題として、防災・防犯の面が挙げられます。空き家は自然災害や犯罪におけるリスクとなり、周辺住民の安全を脅かす可能性があります。また、衛生や景観の悪化も問題となります。放置された空き家は、ゴミや不法投棄物の発生源となったり、周囲の景観を損なったりすることがあります。さらに、空き家は資産価値の低下や地域経済にも悪影響を及ぼします。周辺に空き家が集中すると、地域全体の不動産価格が下落してしまったり、商業活動が停滞してしまったりする可能性があります。

解決策の必要性

このような問題が空き家の増加と共に発生しているため、適切な対策が非常に必要となっています。現在、空き家対策特別措置法の改正や各自治体による取り組みなど、様々な対策が進められていますが、さらなる努力が求められています。空き家問題を解決するためには、これまで以上に対策を推進していく必要があります。対策の一環として、管理不全空き家制度の新設や空き家活用促進区域の創設など、具体的な取り組みが進められています。これらの取り組みを推進し、空き家問題を解決するための環境を整備することが重要です。

以上のように、空き家問題は深刻化しており、解決策の必要性が高まっています。適切な対策を進めることで、地域の安全性や景観、経済に良い影響をもたらすことができると考えられます。現在進められている対策に加え、新たなアプローチや取り組みを積極的に検討し、これらの問題に取り組んでいくことが重要です。

2. 空き家対策特別措置法の概要

空き家対策特別措置法は、日本で増加し続ける空き家問題に取り組むための法律です。この法律は、空き家の定義や所有者の責務、市町村の役割、対応方法、特定空家の指定手続きなどを明確に規定しています。

この法律は、平成27年に施行され、空き家問題を社会問題として認識し、具体的な対策を講じるために制定されました。以前は、空き家に関する責任や行政の対応方法に明確な規定がなく、行政が空き家に介入することが難しい状況でした。しかし、この法律により、行政が空き家を調査し情報収集し、適切な管理や活用を推進することが可能になりました。

法改正により、空き家問題に対処するための新しい制度が導入されました。それが「空家等活用促進区域」と「管理不全空家」です。

「空家等活用促進区域」とは、特定の地域で空き家の活用を重点的に促すために設けられた制度です。この区域では、所有者に対して助言や指導が行われ、空き家の有効な活用が進められます。

また、「管理不全空家」とは、特定の空き家が未然に特定空家となる可能性があると認められたものを指します。建物の劣化や所有者の管理放棄、売却困難性の問題が考えられます。法改正により、このような状態に陥る前に、空き家の適切な流通や適正な管理が促されることとなりました。

空き家対策特別措置法の目的は、適切な管理が行われていない空き家やそれに付随する土地や建物に対し、適切な管理と活用を促進することです。これにより、防災や衛生、景観などの観点から住民の生活環境に悪影響が及ぶ可能性を減らし、住民の生命・身体・財産を保護することを目指しています。

空き家対策特別措置法の主な効果は、以下の3つです。

・市町村が空き家に対して調査や情報収集を行うことができる。
・市町村が空き家対策計画を策定し、協議会を設置することができる。
・特定の空き家に対する助言や指導が所有者に対して行われる。
これらの効果により、行政はより効果的な空き家対策を進めることができるようになります。

空き家対策特別措置法は、空き家問題に取り組むための重要な法律です。法改正により、より具体的な対策が導入され、空き家の有効な活用と適切な管理が促進されることが期待されます。

3. 2023年の法改正のポイント

2023年の法改正では、空き家問題に対する取り組みが一層強化されます。具体的なポイントは以下の通りです。

特定空家の増加対策

特定空家とは周囲に著しい悪影響を及ぼすおそれのある空き家のことであり、倒壊や保安上の危険、衛生面での有害な状態などが該当します。法改正により、特定空家の除却に向けた対策のほか、特定空家になる前の段階での管理確保のための措置が新たに導入されます。

管理不全空家制度の新設

管理不全空家とは、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家のことです。窓が割れていたり雑草が生い茂っているなど、管理されていない状態が該当します。法改正により、市区町村が管理不全空家に対して指導や勧告を行うことが可能になります。指導に従わない場合、固定資産税の住宅用地特例の減額措置が解除されます。

空き家活用促進区域の創設

市町村は、「空家等活用促進区域」という制度を設けることができます。これにより、空き家の活用を促進する取り組みが進められます。区域内では、前面道路の規制が緩和され、用途変更や建替えがより容易になります。さらに、市町村は空き家の活用や管理に取り組むNPO法人や社団法人を「空家等管理活用支援法人」として指定することも可能です。

2023年の法改正により、特定空家の増加を防止し、空き家の活用と管理の改善が期待されています。

4. 管理不全空き家制度の新設

空き家対策特別措置法の改正により、新たな制度である「管理不全空き家制度」が導入されました。この制度は、特定空き家になる前の段階である管理不全空き家を指定し、早期に介入して適切な管理を促すことで、「特定空き家化」を未然に防止することを目的としています。

管理不全空き家の定義と判断基準

管理不全空き家とは、状態の悪い物件であり、周囲に迷惑や危険を及ぼす可能性がある空き家のことです。具体的な基準はまだ発表されていませんが、以下の要素が判断基準として考えられています:

・建物の外壁や屋根の損壊
・窓ガラスの割れ
・立木や雑草の繁茂

これらの要素を市区町村が判断し、管理不全空き家として指定します。

行政による管理不全空き家への対応

管理不全空き家として指定された場合、市区町村長は所有者に対して指導や勧告を行うことができます。指導では、適切な管理方法や修繕の必要性を伝え、改善を促します。状態が改善されない場合、勧告が可能となります。

税制優遇の喪失と管理の重要性

管理不全空き家への勧告を受けると、特定空き家と同様に住宅用地特例が解除され、固定資産税額が増税されます。つまり、適切な管理が行われない場合、税制優遇の恩恵を受けることができなくなります。

早期介入による特定空き家化の防止

管理不全空き家制度の導入により、行政が早期に介入し、所有者に適切な管理を促すことで、「特定空き家化」を未然に防ぐことが期待されます。市区町村が管理不全空き家の所有者に対して指導や勧告を行い、状態の改善を求めます。

空き家所有者の負担増加と適切な管理の重要性

管理不全空き家になると、固定資産税の負担が最大で6倍になるなど、所有者にとっては厳しい状況となります。適切な管理が行われない場合、所有者は税金の負担増加や行政からの指導を受けるリスクが高まります。したがって、所有者は適切な管理を行うことが重要です。

管理不全空き家制度の導入により、特定空き家への早期対応や空き家問題の深刻化の未然防止が図られることが期待されます。所有者は適切な管理を行うことで、税制優遇を受けながら適切な活用を図ることが重要です。

5. 空き家活用促進区域の創設

空き家活用促進区域制度は、空き家対策特別措置法改正の一環として新たに導入されました。この制度により、市区町村は特定地域を指定して、空き家の活用を推進することができます。

空き家活用促進区域制度の目的

空き家活用促進区域制度の目的は、特定の地域における空き家の活用を重点的に進めることです。特に中心市街地など、空き家が集中している地域では、それが住民の生活や地域経済に悪影響を及ぼす可能性があります。この制度により、市区町村は活用の方針や具体的な活動内容を定めることができ、より効果的な空き家対策が期待できます。

空き家活用促進区域制度の特徴

空き家活用促進区域制度の特徴を以下にまとめました。

市区町村によるエリア指定

市区町村は特定の地域を空き家活用促進区域として指定する権限を持ちます。指定された地域では、空き家の活用に関する規制の緩和や支援を受けることができます。

建築基準法の緩和

空き家活用促進区域では、建築基準法の用途や規制が緩和されます。これにより、既存の不適格な建物でも建て替えや用途変更が可能になり、空き家の有効活用が促進されます。

多様な活用方法の選択肢

空き家活用促進区域では、住宅に限られていた用途地域でも、店舗や飲食店への転用がしやすくなります。さらに、活用方法に関しては、市区町村や周辺地域の特性や需要に応じた柔軟な対応が可能です。

市区町村の活動方針に基づく支援

空き家活用促進区域の指定にあたっては、市区町村が活動方針や目標を定める必要があります。これに基づき、市区町村は空き家の所有者や活用希望者に対して支援やアドバイスを行い、適切なマッチングを促進します。

地域の特性や需要に合わせた対策の実施

空き家活用促進区域は、地域ごとに指定されるため、地域の特性や需要に合わせた対策を実施することが可能です。これにより、より効果的な空き家対策が進められることが期待されます。

空き家活用促進区域制度の導入により、市区町村はより効果的な空き家対策を進めることができます。また、空き家の所有者や活用希望者も、市区町村の支援やアドバイスを受けながら適切な活用方法を選択することができます。地域の活性化や資源の有効活用につながるこの制度の利用が進められることで、空き家問題の解消に一歩近づくことが期待されます。

まとめ

空き家問題は深刻化し、様々な問題を引き起こしているため、適切な対策が急務となっています。2023年の空き家対策特別措置法の改正では、特定空家対策の強化や管理不全空家制度の新設、空き家活用促進区域の創設など、新たな取り組みが導入されました。これらの制度により、地方自治体は空き家の適切な管理と活用を促進することができ、防災・防犯、景観の改善、地域経済の活性化につながることが期待されます。空き家問題の解決には自治体と所有者の連携が不可欠であり、今後もさらなる対策の強化と地域の実情に合った取り組みの推進が重要です。

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