解体工事を依頼する前に知るべき流れと注意点|解体工事マニュアル

query_builder 2025/06/27
解体工事まとめ記事
解体工事を依頼する前に知るべき流れと注意点|解体工事マニュアル

解体工事を初めて依頼する方に向けて、工事の流れや費用相場、注意点、信頼できる業者選びまで徹底解説します。この記事を読めば、トラブルを防ぎ、安心・安全な解体工事を成功させるために必要な知識と最新情報がすべて分かります。


解体工事とは何かと必要な場面


解体工事の基本的な定義と種類

解体工事とは、建築物や構造物を安全かつ計画的に取り壊し、土地を更地に戻すための工事です。住宅やビル、工場、倉庫、内装などその対象は多岐にわたります。近年は都市再開発や空き家対策、耐震化事業の進展により、解体工事の需要は増加しています。
解体工事には主に下記のような種類があります。

解体工事の種類 主な対象 特徴
建物本体の解体 木造住宅、鉄骨造建物、RC造(鉄筋コンクリート造) 構造ごとに工法やコストが異なり、重機や専用工具を用いて解体する
内装解体(スケルトン解体) オフィス、店舗、マンションの一室 建物の構造体を残し、内装・設備のみを撤去
部分解体 外構、塀、ガレージのみ等 一部の構造物だけを対象に限定して行う施工
特殊解体 高層ビル、橋梁、煙突など 高所や特殊な構造物など専門技術を必要とするケース

解体工事では、騒音や振動、アスベストやPCBなどの有害物質への配慮、近隣住民への対策、行政への申請などが求められ、専門性の高い工事となっています。


解体工事が必要となる主なケース

解体工事が必要となる場面は多種多様ですが、特に多いのは下記のようなケースです。

  • 老朽化や耐震強度不足の建物を新築へ建て替える場合
  • 空き家を放置せず、有効活用や土地売却をする場合
  • 商業施設や工場、店舗の閉鎖・リニューアルに伴う原状回復
  • 災害で損壊した建物の撤去
  • 都市開発や道路拡張・公共事業に伴う既存建物の除去

長年使用されていない建物や老朽化による倒壊リスクが高い場合は、早期に解体工事を行うことで安全確保や土地の有効活用に繋がります


建築基準法など法律との関係

解体工事は、建築基準法、廃棄物処理法、大気汚染防止法など様々な法律や条例の規制対象となります。特に次のような法令・手続きに注意が必要です。

主な法令・制度 内容
建設リサイクル法 一定規模以上の解体工事で分別解体と届出が義務付けられている
建築基準法 解体後の建物除却確認の届出や、不適格建築物の除去命令
廃棄物処理法 解体時に発生する廃材の適正処理、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の作成
大気汚染防止法 アスベスト含有建材の取り扱いと飛散防止措置、事前調査・報告
道路使用許可 道路を使用して解体作業を行う場合に警察署への許可申請

法律違反により罰則を受けたり、近隣住民や行政とのトラブルを招くケースもあるため、専門業者や行政窓口と十分に相談し、確実な手続きを行うことが重要です


解体工事の流れと全体工程


事前準備と現地調査

解体工事を安心して進めるためには、事前の準備と現地調査が非常に重要です。専門業者が実際の現場を確認し、建物の構造や周辺環境、搬出経路、ライフラインの状況などを詳細に調査します。また、建築確認済証や土地の登記簿謄本など、必要書類の確認・用意もこの段階で行われます。

現地調査の際には、アスベストやPCBなど有害物質の有無、また埋設物や地中障害がないかも確認します。この情報が後の見積もりや工程計画に直接影響を与えるため、入念に実施されます。


見積もり取得と業者選定のポイント

現地調査の結果をもとに、工事内容や範囲、必要な重機・作業員数を踏まえて見積もりが提示されます。業者ごとに見積もり内容や費用の内訳が異なる場合が多いため、複数の業者から見積もりを取得し、金額だけでなく作業内容や対応の丁寧さも比較検討することが大切です。

チェック項目 確認ポイント
費用の内訳 人件費・重機使用料・廃棄物処分費などが明確になっているか
工事の範囲 建物本体以外に外構や庭木、基礎撤去の有無が含まれているか
追加費用の説明 追加料金が発生するケースや条件について明記されているか

業者を選ぶ際は、建設業許可や産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているか、対応実績が豊富かも必ずチェックしましょう。


近隣住民への説明と挨拶

解体工事は騒音や振動、粉じんなどが発生しやすく、近隣住民に影響を及ぼすことが多いため、事前の説明と挨拶は非常に重要です。工事の開始前には、施工業者とともに近隣住民へ工事期間や作業時間・騒音対策・ごみ処理方法について説明し、理解と協力を求めます。自治会長や町内会にも情報を共有することでトラブルの予防につながります。


建物の内部や外構の撤去作業

解体工事の実作業は、まず内部の残置物(家具や家電、生活用品など)の撤去から始まります。その後、建物外部の外構(フェンス・門扉・物置など)の撤去作業に移ります。建物本体の解体は上部構造物から順次分解して重機や手作業を併用して行い、周辺への飛散や振動を最小限に抑えるよう配慮します。

この過程では、アスベスト含有建材の除去や特殊な廃材の分別も同時進行で実施されます。


廃棄物の分別と処分方法

解体によって発生する廃棄物は、「木くず」「コンクリートがら」「金属くず」「ガラス・陶磁器くず」など多岐にわたります。各種廃棄物は法律に基づいて適切に分別し、再資源化や産業廃棄物としての適正処分が義務付けられています。

廃棄物の種類 主な処分方法
木くず チップ化して燃料やボードの材料に再利用
コンクリートがら クラッシャー処理後、道路路盤材などに再資源化
石膏ボード リサイクル工場へ搬入、再生利用
廃プラスチック類 可燃処理または再生プラスチック原料として使用

産業廃棄物管理票(マニフェスト)を用い、廃棄物の排出から最終処分までの流れが適正に管理されることが法律で定められています。


整地と工事完了報告

建物や基礎の解体後、土地上の不要物をすべて撤去し、整地(地ならし)作業を行います。重機やローラーを使用して、土地を平坦にし、次の活用に備えた状態に仕上げます。擁壁や井戸、樹木などが残されている場合は事前の打ち合わせ内容に基づき、その取り扱いも実施します。

工事が全て完了したら、施主(依頼者)に現場の確認を依頼し、工事内容や撤去物の状況を説明し、写真付きの工事完了報告書を提出します。これにより、施主は契約どおりに工事が完了しているかを確認でき、万一の不備も早期に発見できます。


解体工事にかかる費用と相場


費用の内訳と価格の決まり方

解体工事にかかる費用は、建物の構造や大きさ、立地条件、廃棄物の処理方法などによって大きく変動します。一般的には「仮設工事費」「解体費用」「廃棄物処分費」「付帯工事費」「諸経費」など複数の項目で構成されます。予算を適切に組むためにも、それぞれの費用項目の内容を把握しておくことが重要です。

費用項目 内容
仮設工事費 足場や養生シート、仮囲いなど安全対策や周囲への配慮にかかる費用
解体費用 建物本体や付帯設備(内装・屋根・外構等)の解体作業そのものにかかる費用
廃棄物処分費 コンクリート・木材・金属など建材ごとに仕分けて搬出・処理を行う費用
付帯工事費 場合によって必要となる井戸埋め戻しや地中障害物撤去、整地などの追加作業費
諸経費 現場での管理費や申請書類作成、交通費など雑費を含む費用

これらの各項目は、解体する建物の種類や規模によって割合が異なるため、相見積もりを複数業者から取って比較することが重要です。


木造・鉄骨・RC構造ごとの費用の違い

建物の構造によって解体費用の相場は大きく異なります。日本国内で多く流通している木造住宅、鉄骨造(S造)建築、鉄筋コンクリート(RC造)建築での費用の目安は以下の通りです。

構造種別 1坪あたりの相場(万円) 特徴
木造 3~5 解体しやすく処分費も比較的安価。住宅解体の多くを占める。
鉄骨造(S造) 4~7 骨組みが鉄骨のため切断や分解作業に手間がかかり、木造より高め。
鉄筋コンクリート(RC造) 6~10 重機が必要で作業及び処分費も高くなりがち。ビルやマンションに多い。

また、都市部や狭小地、交通量の多い場所、特殊な立地(傾斜地・密集地)等は、重機搬入や養生作業の追加が必要となり、費用がさらに上がることがあります。


追加費用が発生するケース

見積もり時に把握できない追加費用が発生することもあります。 特に注意が必要なのは、地中埋設物の発見やアスベストなど有害物質の除去、隣地との境界トラブルに対応する場合です。

  • 地中に古い浄化槽、コンクリート塊、井戸などの〈地中障害物〉が出てきた場合、発見後に別途処分費用が必要になることが多いです。
  • 古い建築物の場合は、アスベスト含有建材が使用されているケースがあり、専門業者による除去・処分が必要になるため、費用が大幅に増加します。
  • 道路使用許可や特別な交通誘導員の手配など極端な条件下での解体には、追加で費用を要することもあります。
  • また、工事途中で施主の要望が増えた場合や工期の延長が発生する場合にも追加費用の発生が考えられます。

解体工事の費用を正確につかむためには、事前の現地調査をしっかり行い、見積書に「含まれる作業内容」と「追加費用が発生する場合」を明記してもらうことが大切です。


解体工事を依頼する際の注意点


悪徳業者の見分け方

解体工事には専門的な知識と経験が求められるため、適切な業者の選定が非常に重要です。中には、法令を守らない悪質な業者も存在するため、注意が必要です。見積もりが極端に安い場合や、契約書を作成せずに口頭だけで進める業者、施工中に追加費用ばかりを請求する業者は要注意です。また、建設業や解体工事業の許可証を提示できない業者には依頼しないことが賢明です。

チェックポイント 注意すべき内容
見積もり内容 相場より大幅に安い金額や、詳細な内訳のない見積もりは要確認。
許認可の有無 建設業許可・解体工事業登録などの証明を必ず確認。
実績と評判 過去の実績や口コミ、第三者評価の確認。
施工体制 自社施工か外注任せか、現場責任者の明示なども確認ポイント。

しっかりした契約書を交わす重要性

解体工事のトラブルを未然に防ぐためには、必ず書面で契約を結ぶことが重要です。契約書には工事内容や費用、工期、支払い条件、追加工事の扱いなど、詳細を明記してもらい、不明瞭な点は記載前に必ず確認しましょう。万が一トラブルが起こった際にも、契約書があれば法的な証拠となり適切な対応が取りやすくなります。


アスベストや有害物質の対応

古い建物にはアスベスト(石綿)やPCBなど有害物質が使用されているケースも多いため、専門的な調査と適切な処理が求められます。アスベストは労働安全衛生法や大気汚染防止法などで厳格に規制されており、事前調査・書面による申請・作業中の飛散防止措置などが義務付けられています。対応実績のある業者を選び、必要に応じて“特定建築材料調査”や“産業廃棄物処理委託契約書”の締結がなされていることを必ず確認しましょう。

有害物質 関連法令 確認事項
アスベスト(石綿) 大気汚染防止法、労働安全衛生法 事前調査結果報告・飛散防止処置・処分先の明示
PCB PCB特別措置法 専用処分・保管管理票の有無

行政手続きと必要な申請書類

解体工事を安全かつ合法的に進めるためには、各種行政手続きを適切に行う必要があります。建築物の延床面積が80㎡を超える場合は、都道府県への「建設リサイクル法に基づく届出」が義務付けられています。また、道路使用許可届、廃棄物のマニフェスト伝票など、ケースに応じて必要な申請書類や許可証が多数存在するため、抜け漏れのないよう業者とよく確認しましょう。書類の手続き代行も含め、行政との折衝経験が豊富な業者を選ぶことでスムーズに工事を進められます。

主な行政手続き 概要 対象建物等
建設リサイクル法届出 リサイクル推進と適正処理のための事前届出 延床面積80㎡超の解体工事
道路使用許可 重機や車両使用時の道路占有届 公道使用時
産業廃棄物管理票(マニフェスト) 廃棄物の適正処分管理 すべての産業廃棄物発生現場

トラブルを防ぐためのポイント


近隣トラブルへの配慮

解体工事では騒音や振動、粉じんの発生が避けられず、近隣住民とのトラブルが発生しやすいのが現状です。事前に近隣住民への説明と挨拶を丁寧に行い、不安を取り除くことが重要です。また、工事中は進捗状況や工期、作業時間などをできる限り分かりやすく伝えましょう。これにより、不要な誤解やクレームを抑えることができます。


騒音・振動・粉じん対策

解体工事では、騒音・振動・粉じんの発生を最小限に抑える対策が求められます。例えば、防音シートやパネルの設置、高圧散水などによる粉じん飛散防止措置、重機のアイドリングストップの徹底などが有効です。また、周辺環境や天候を考慮した工事スケジュールの調整も大切です。地域によっては工事時間や規制内容が異なるため、事前に各自治体の条例やガイドラインを確認する必要があります。


廃材・ごみの適正処理と産業廃棄物マニフェスト

解体工事で生じる廃材・ごみは、法令に従って適切に処分しなければなりません。建設リサイクル法や廃棄物処理法に基づき、分別・リサイクルを徹底する必要があります。特に、産業廃棄物の処理が必要な場合は「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」の発行・管理が義務付けられています。下記の表は産業廃棄物マニフェストの概要です。

項目 内容
目的 産業廃棄物の適正な処理・管理を確認するため
記載内容 排出事業者名、廃棄物の種類・数量、運搬・処分業者名、処分方法
保存期間 5年間(法律で義務付け)
注意点 未交付や記載漏れは罰則対象となる

適切なマニフェストの管理や、信頼できる産業廃棄物処理業者の選定を徹底しましょう。これらの対策を行うことで、コンプライアンス違反や近隣からの苦情を防ぐことができます。


信頼できる解体工事業者の選び方


信頼できる解体工事業者を選ぶことは、安心して工事を進めるために最も重要なポイントです。適切な資格や許可を持ち、経験と実績がある業者を慎重に選定することで、法的なトラブルや追加費用、近隣住民との問題を未然に防ぐことができます。 ここでは、具体的な業者選びのポイントと注意点を解説します。


解体工事業者の資格と許可

建物解体には法律で定められた許可や資格が必要です。必ず以下を確認しましょう。

必要な許可・資格 内容 確認方法
建設業許可(解体工事業) 500万円以上(税込・元請)を超える解体工事には原則必須。 「国土交通省」や「都道府県」からの許可番号を確認。
産業廃棄物収集運搬業許可 生じた廃棄物を適切に運搬・処分するために必要。 許可証の写しを契約前に提示してもらう。
アスベスト関連資格 アスベスト除去作業に必要な資格や指針への対応。 「石綿作業主任者技能講習修了証」などの有無を確認。

資格・許可がない業者や許可内容が不十分な業者は、廃棄物の不法投棄や法令違反のリスクがあります。 必ず公的な証明書や許可証の提示を求めましょう。


実績・口コミ・評判の確認方法

業者の過去の実績や、実際に利用した人からの口コミ・評価も重要な判断基準です。

  • 希望する工事と同じ規模・構造物の解体実績があるか
  • 自社ホームページやパンフレットの施工例、現場写真
  • 「Google マップ」「エキテン」「ホームプロ」などの口コミサイトでの評判
  • 知人や不動産会社からの推薦

口コミ評価や施工事例だけでなく、トラブル時の対応歴も確認することで、誠実な業者かどうかを見極めることができます。


見積もり比較と現地調査の重要性

解体工事では、現地調査なしの一律見積もりや不透明な内訳の提示は、後から追加費用を請求される原因となります。 必ず複数業者で現地調査を行ったうえで見積もりをとり、比較してください。

見積もり段階のポイント 注意点と確認方法
現地調査の実施 建物の状況や周辺の環境(道路幅員、電線の有無等)をすべて確認してもらう
詳細な見積書の提出 工事項目ごとの費用・内訳が明確になっているかチェック
追加費用の有無 「追加費用が発生する条件」が明文化されているか確かめる
複数業者の比較 極端に安すぎる業者、高すぎる業者の理由を必ず質問する

安さだけで決めず、内容・対応・説明力を重視することが信頼できる業者選びのポイントです。


まとめ

解体工事は専門的な知識と適正な手続きが求められるため、信頼できる業者選びや契約書の締結、行政への申請が不可欠です。費用や近隣トラブルにも注意が必要で、事前の工程把握と業者比較が成功のカギとなります。無駄なトラブルを防ぎ、安心安全な解体工事を実現するため、十分な準備と信頼できる業者選定を心がけましょう。


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株式会社ペガサス

住所:埼玉県所沢市小手指町3-22-1-306

電話番号:0120-66-1788

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