知らなきゃ危険!?アスベストのレベル別基準と安全対策
アスベストは建築資材として広く使われてきましたが、人体に有害であることが判明したため、適切な取り扱いが求められています。本ブログでは、アスベストの危険性とレベル別の対策、除去工法、作業時の防護服の選び方などを詳しく解説します。アスベスト関連の作業を安全に行うためのノウハウを学べる内容となっています。
1. アスベストのレベルとは?
アスベストのレベルは、アスベストの飛散の危険性に応じて設定される作業レベルを指します。アスベストは非常に小さな繊維状の鉱物であり、呼吸器に入ると健康被害を引き起こす可能性があります。そのため、アスベスト作業を行う際には適切な対策が必要です。
アスベストのレベルは、主に発じん性に基づいて分類されます。発じん性はアスベストが粉じんとなって発生する度合いを示します。レベル1は非常に高い発じん性を持つ最も危険なアスベスト含有建材を表します。レベル2は高い発じん性を持ち、繊維露出が多いアスベスト含有建材です。一方、レベル3は比較的低い発じん性を持ち、主にスレートや岩綿吸音板などの材料が含まれます。
アスベストのレベルに応じて工事や調査の方法が異なるため、アスベストに関わる作業を行う場合は、まずレベルを確認し、それに応じた適切な対策を講じる必要があります。また、アスベストが含まれている可能性がある建物についても、レベルの確認が重要です。
アスベストのレベルは、安全性を確保しつつ適切な対策を取るための目安となります。次のセクションでは、アスベストのレベル1について詳しく解説していきます。
2. レベル1のアスベスト~危険な飛散性~
レベル1のアスベストの特徴
レベル1のアスベストは、最も危険性が高い種類のアスベストです。繊維が露出しており、非常に高い発じん性を持ち、飛散しやすい特徴があります。特に建材によって広く使用されている「石綿含有吹付け材」が問題となっています。
石綿含有吹付け材の問題点
石綿含有吹付け材は、建物の機械室やボイラー室などの天井や壁に吹き付けられる建材です。見た目が白くモコモコしており、解体する際にその繊維状のアスベストが飛び散ることが危険です。
飛散性と脆さの特徴
レベル1のアスベストは他のレベルに比べて繊維が露出しており、非常に脆い性質を持っています。そのため、わずかな外部の力でも破損しやすく、粉じんが比較的に飛散しやすいです。
解体作業の注意点
レベル1のアスベストを含む建材を解体する際には、事前に計画内容や作業内容の届出の提出が必要です。作業員には全面型マスクの着用などが義務付けられています。これらの対策は、アスベストの飛散を防ぐために必要です。
安全な解体作業のための対策
レベル1のアスベストを含む建築物の解体作業では、特に注意が必要です。以下の対策を実施することで、粉じんの飛散を最小限に抑えることができます。 - 適切な防護服やマスクの装着 - 湿潤な状態での作業
また、解体作業の際には周囲の住民への影響も考慮する必要があります。
レベル1のアスベストは非常に飛散性が高いため、取り扱いには慎重さが求められます。安全な解体作業を行うためには、適切な処理方法を選び、周囲への影響を最小限に抑える対策を実施することが重要です。
3. レベル別の法的届出義務
アスベストの取り扱いには、レベルによって異なる法的な届出義務が存在します。各レベルごとに必要な書類や手続きを確認しておきましょう。
レベル1の法的届出義務
レベル1のアスベストには、以下の書類が労働基準監督署および都道府県庁に提出される必要があります
・労働基準監督署への提出書類
・事前調査結果の届出
・工事計画届
・建物解体等作業届
・都道府県庁への提出書類
・特定粉じん排出等作業届
・建設リサイクル法の事前届
レベル2の法的届出義務
レベル2のアスベストにも、レベル1と同様に労働基準監督署および都道府県庁への届出が必要です。
・労働基準監督署への提出書類
・事前調査結果の届出
・工事計画届
・建物解体等作業届
・都道府県庁への提出書類
・特定粉じん排出等作業届
・建設リサイクル法の事前届
レベル3の法的届出義務
レベル3のアスベストには、以下の書類の提出が求められる場合があります
・事前調査結果の届出
・都道府県庁への提出書類
・建設リサイクル法の事前届
これらの届出書類は、工事や解体作業の前に提出する必要があります。各自治体のルールや規制によっても異なる場合があるため、詳細については各自治体の相談窓口にご相談ください。
4. アスベスト除去の工法
アスベストを除去するためには、いくつかの工法があります。それぞれの工法には、独自の特徴や利点があります。
除去工法
除去工法は、専用の機材を使用してアスベスト含有吹き付け材を下地から取り除く方法です。この工法を用いると、アスベストを完全に取り除くことができます。したがって、建物の解体時など再度の除去作業が必要ありません。ただし、除去工法は費用が高額になる場合が多いですが、アスベストの完全な除去が求められる場合に最適です。
封じ込め工法
封じ込め工法は、既存のアスベスト含有吹き付け材の上から溶剤を吹きかけることで、アスベストの飛散を防ぐ方法です。この工法の利点は、工事期間や費用が比較的少なく済むことです。ただし、アスベストは残るため、建物の解体時には再び除去する必要があります。封じ込め工法はアスベストの飛散防止に効果的であり、コストを抑えたい場合に適しています。
囲い込み工法
囲い込み工法は、アスベストが含まれる部分をアスベスト以外の素材で完全に覆い、アスベストの飛散を防ぐ方法です。この工法の利点は、工事期間や費用が比較的少なく済むことです。ただし、囲い込んだアスベストは残るため、解体時には除去する必要があります。囲い込み工法はアスベストの飛散を防ぐだけでなく、見た目の改善も期待できる工法です。
剥離工法
剥離工法は、アスベストが含まれる仕上塗材や下地調整材を薬品でやわらかくして取り除く方法です。この工法では湿潤化された薬品を使用するため、散水は必要ありません。作業後の処理も比較的簡単です。ただし、完全にアスベストを取り除くことができない場合があり、他の工法と併用する必要があります。剥離工法は部分的なアスベスト除去に適しており、費用を抑えつつ効果を期待できます。
アスベスト除去作業を行う際には、各工法の特徴や利点、費用、効果を考慮して、最適な工法を選択することが重要です。アスベストの状況や目的に応じて、専門家と相談しながら工法を決定しましょう。
5. アスベスト作業時の防護服の選び方
アスベストの除去作業を行う際には、適切な防護服を選ぶことが重要です。防護服は作業員の安全を確保するために使用される衣類であり、アスベストの飛散や接触を防ぐ役割を果たします。以下では、アスベスト作業時に適切な防護服を選ぶためのポイントをご紹介します。
防護服の種類と特徴
アスベスト作業に適した防護服の種類は「タイプ5」です。これは密閉性が高く、服の上下が一体化しているため粉じんや繊維の侵入を防ぎます。また、アスベストに対応した防護服は払い落としがしやすく粉じんが付着しにくい素材で作られています。使用後は使い捨ての防護服を選び、作業後すぐに廃棄することが推奨されます。
防護服の装着方法と注意点
防護服の正しい装着方法も重要です。以下に、防護服の装着方法と注意点をまとめました。
・作業前に手や顔を洗って清潔にしましょう。
・防護服の前面ジッパーを開けて、足先から順に入ります。
・フードをかぶり、ジッパーを閉めます。フードが頭と顔をしっかり覆っていることを確認しましょう。
・手袋、シューズカバー、防じんマスクなどの防護具もきちんと装着しましょう。
・防護服と防護具の結合部分はテーピングで密閉し、粉じんや繊維の侵入を防ぎましょう。
防護服の保管と廃棄
使用済みの防護服は作業場から出る際にすぐに廃棄する必要があります。アスベストは完全に取り除くことが困難であり、外部へ持ち出すことで二次感染のリスクが発生します。廃棄物として処理する際には、特別管理作業廃棄物として適切に処理する必要があります。
防護服の選び方のポイント
防護服を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
・作業内容や飛散の危険度に応じて防護服を選ぶ必要があります。アスベストのレベルによって作業内容が異なるため、適切な防護服を選びましょう。
・サイズやフィット感も重要です。作業中に服が動いたりズレたりしないよう、自身の体型に合ったサイズを選びましょう。
・防護服の素材や機能性も確認しましょう。アスベストに対応した素材や高い防護効果を持つ機能があるかどうかをチェックし、適切な防護服を選びましょう。
・アスベストの除去作業は人体に悪影響を及ぼす危険な作業です。適切な防護服を選び、正しく装着することで作業員の安全を確保しましょう。
まとめ
アスベストの適切な取り扱いには、レベルに応じた法的な手続きや作業方法、防護対策が重要です。レベル1のアスベストは特に高い危険性があり、除去工法や封じ込め工法、囲い込み工法など、状況に応じて適切な除去工法を選択し、十分な安全対策を講じる必要があります。特に、アスベストの飛散を最小限に抑えるための防護服の使用は不可欠です。アスベストの取り扱いには専門知識が必要不可欠であり、作業内容に合わせて適切な対策を講じることが重要です。
株式会社ペガサス
住所:埼玉県所沢市小手指町3-22-1-306
電話番号:0120-66-1788
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